ジャグレとは
「ジャグレ」とは水石の肌合の一種で、石の表面に現れた凹凸・不規則な「えぐれ」や「穴」などが入り組んだ状態を指します。


「ジャグレ」は、特に硬質な石で発生し、長い年月をかけて風化や摩耗して発生した場合や、石内部の結晶構造によって岩石の生成過程で現れます。
そのうねりやえぐれ・凹凸は荒々しさを感じさせるだけではなく、光によって陰影が生まれ、立体的な表情が楽しめる肌合です。
ジャグレ肌はわかりやすい特徴と同時に非常に迫力のある石を演出しますので、水石好きの方は一つは手元に置きたいと思う肌合・石だと思います。
下記は「第62回 日本水石名品展」にて拝見させていただいた水石ですが、うねるように走るジャグレ肌にとても感動しました。


ジャグレ肌を持つ石の産地
ジャグレ肌を持つ産地は全国さまざまな場所にあります。
加茂川石(京都府)をはじめ、佐治川石(鳥取県)、揖斐川石(岐阜県)、千軒石(北海道)、馬淵川石(岩手および青森県)、只見川石(福島県)、八溝石(茨城県)、富士川石(静岡県)、八海山石(新潟県)、能登銀石(石川県)、大江山石(京都府)、高梁川石(岡山県)などが、土地の特色を踏まえた、素晴らしいジャグレ肌を持つ水石の産地です。
上記以外にもジャグレ肌の水石が産出される産地はあります。
私は多摩川の是政橋付近の川原で、運よくジャグレ肌の石に巡り合うことができました。


何度も多摩川に探石に行きますが、ここまでジャグレ・えぐれている石には、その後まだ出会っていません。
ジャグレの名前の由来
「ジャグレ」の名前の由来は複数あります。
「まるで蛇が這ったかのようにみえるため蛇崩(じゃくずれ→じゃぐれ)」という説と「えぐれ・しゃくれている状態なので杓れる(しゃくれる→じゃぐれ)」という説です。
形状をみてみると「蛇説」と「杓れ説」の二つが混ざった説もありかと思いました。
「蛇行の跡ように杓れている」のを見て、洒落を踏まえて「ジャグレ」と呼んだといった感じです。
先日、多摩川探石にて、「蛇説」を根拠づけるかのようなジャグレ(途中?)の石に出会うことができました。
下記の白っぽいうねる線状部分は、石の軟質な脈がまだ残っている「蛇」にあたり、その周りの錆びたえぐれ=軟質部分が削れた部分が「ジャグレ」かと思います。

水を打った状態です。大きくうねったさまが、今まさに蛇が這っているように見えます。

もっと大きくジャグレている名石たちも、同じように削れえぐれていったのかもしれません。
その他肌合の種類
水石の肌合の種類に関しては、こちらの「水石の肌合(はだあい)の種類」一覧をご覧ください。
