水石の「形による分類」は、石の形状に注目し、山・滝・島などの具体的な自然風景や姿に見立てて分類する方法です。
このページでは窪みを持つ形状である「溜り石」に関して紹介いたします。
*「溜まり石」や「溜まり」と表現する場合もあります。過去文献では「水たまり石」とも記載がありました。
溜り石(たまりいし)とは
「溜り石(たまりいし)」は、水が溜まる凹み・窪みを持った石で、その窪みに水を注ぎ、池や湖を連想し景を楽しむ水石です。
浅い凹みや深い窪みなど形状はさまざまですが、水が溜まることで石の中に小さな景観が生まれ、静けさや趣を感じさせてくれます。


水面や湖面を思わせる溜り石は、静けさや静寂を感じさせてくれるような魅力があります。
暑さや寒さが厳しい日にこの石を眺めていると、涼しげな様子や水面の冷たさから、より一層その良さが沁みてくるような気がしています。
その他、舟形のようなソゲた石で「溜り」を楽しむ際は、石の中の景観というより、溜りの深さや淵の変化・肌合など器として石を愛で楽しむこともあるようです。
「溜り」部分に関して
「溜り」となる凹みや窪みですが、文献やネットなどで溜り石を見てみると、以下のような種類がありました。
- 肌合の「ジャグレ」を「溜り」としている
- 肌合の「巣立ち・ウガチ」を「溜り」としている
- 「川ずれ」により、うっすらと凹んだ部分を「溜り」としている
- 小石が抜けた穴を「溜り」としている
いろいろな「溜り」があると思いますが、なかなか良い溜り石に巡り合えません。

探石していると、砂岩系できれいな溜りができている石に出会うことがありますが、ほぼ庭石のような大きさで、持ち帰れない場合がほとんどです。
先日は溜り石かと思い持ち帰りよく洗ってみると、突き抜けた状態(抜ける)でがっかりしたことがありました。
私は据わりのいい、小ぶりで深い溜りの石が見ていて好きなのですが、探石で出会えるのを楽しみにしています。
追記:多摩川の探石で「溜り石」に出会いました
多摩川にて何度か探石していたところ、やっと溜り石らしい水石に出会うことができました。

写真だとちょっとわかりにくいのですが、真ん中からちょっと右下あたりがくぼんでいる石です。
緩やかにくぼんでいるので、おそらく石の軟質な部分が少しづつ削れていったのではないかと思っています。
時折、水を打ってこの「溜り石」を楽しんでいます。
水石の形一覧
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