瀬田川石(せたがわいし)とは
「瀬田川石」は、滋賀県南部を流れる瀬田川で採取される水石の総称で、水石界における日本三大銘石の一つと言われています。(他二つは加茂川石、佐治川石)
瀬田川は琵琶湖から唯一流れ出る一級河川で、全長約7.5kmと短いものの、下流で宇治川へと名を変え、やがて淀川を経て大阪湾へと繋がる重要な水系の一部です。
その瀬田川では多種多様な魅力のある石が産出しており、「瀬田川石」は愛石家の中でも非常に人気のある水石です。
瀬田川石の特徴と魅力
瀬田川石は梨地肌などの特徴のある肌合や、黒く重厚な色合い、たたくと金属のような音がする硬い質の特徴を持つことで有名です。
下記画像は糸掛けを纏った瀬田川の石ですが、非常に硬質で、他の石でたたくとキンキンした音がなります。

この硬質な真黒石の他にも、「虎石」という虎縞模様の石も非常に有名です。
いずれにせよ、瀬田川は産出される石の種類も豊富で、愛石家の方から非常に人気がある水石の一種です。
以下に、瀬田川石の代表的な種類とその特徴を紹介します。
梨地真黒(なしじまぐろ)
「梨地」とは「梨地肌」ともいい、果物の梨の皮のように、小さな斑点、細かな凹凸が均一に広がる肌合のことです。

この「梨地」の肌合を持ち、色合いは深い黒色(真黒)で、滑らかな触感と品のある光沢を持つのが、「瀬田川の梨地真黒」です。
巣立真黒(すだちまぐろ)
表面に蜂の巣状の凹凸模様が現れることがあり、これを「巣立」と呼びます。
そしてこの「巣立」の肌合を持つ真黒石を「瀬田川の巣立真黒」と言います。
「瀬田川の巣立真黒」は「瀬田川の梨地真黒」と同様に瀬田川を代表する水石と言えるでしょう。
WEBショップやオークションでもよく見かけます。
蟹真黒(かにまぐろ)
表面に蟹の足跡のような凹凸が見られることからこの名が付きました。
写真でしか見たことがありませんが、梨地や巣立ちよりも凹凸・穴が大きい印象です。
似たような肌合いに、笹の葉のような形の凹凸が広がる「笹真黒」があります。
虎石(とらいし)
「虎石」と言えばまず浮かぶ産地は「瀬田川」だと思います。
そのぐらい瀬田川の虎石は水石界で有名です。
瀬田川虎石の特徴は、飴のような肌合いの太い茶色い石と黒い石の脈が交互に層をなしているところです。
下記は名品展で拝見した虎石です。
非常に特徴ある肌合で、瀬田川の虎石ということが、一目でわかると思います。


一層一層が盛り上がるように丸みを帯びており、それがずんずんと重なっているさまは、非常に迫力があります。
蓬石(よもぎいし)
その他、瀬田川では「蓬石(よもぎいし)」という緑がかった石が有名です。
この蓬石ですが、写真でしか見たことがありませんが、どことなく蒼黒の多摩川石に色合いや肌合がにていると感じています。
実物を手に取ってみてみたいものです。
名品展での瀬田川石
第62回 日本水石名品展で拝見させていただいた瀬田川石です。
名品ばかりでした。





真黒石・虎石それぞれ時代・古色をまとった素晴らしい石ばかりです。
いつか本物の虎石を手に取ってみたいと思います。
