土坡(どは)について

土坡について

水石の「形の種類」「形による分類」は、石の形状に注目し、山・滝・島などの具体的な自然風景や姿に見立てて分類する方法です。
このページでは「土坡(どは)」に関して紹介いたします。
*「土坡石(どはいし)」と明記している場合もあります。

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土坡(どは)とは

土坡(どは)」は、なだらかな丘陵地帯や台地の景観を表現する水石です。

本来、建築や地形において「土坡」は「土の堤」や「土で築かれた傾斜地」を指しますが、水石では広い面を持つ石を指します。
段差のある地形を模した「段石」と似た形状を持つこともあり、区別が難しい場合もありますが、「土坡(どは)」のほうがより緩やかで平坦な部分が広い石が多いように思います。

多摩川石 銘「寛厳」 第62回 日本水石名品展にて
多摩川石 銘「寛厳」 第62回 日本水石名品展にて

水石では、山や崖のような険しい風景だけでなく、穏やかな丘陵や大地の風景も見立ての一つとされています。
静かで穏やかな風景を感じさせる土坡(どは)は、水盤に据えて広がる大地を表現したり、盆栽や添え物と合わせることで、より風景の奥行きを引き出すことができます。

高土坡と遠山土坡

土坡には、坡面が平らないわゆる土坡のほかに「高土坡」と「遠山土坡(山形土坡)」があります。

「高土坡」は坡面が高い位置にある、高さがある縦長の石になります。「遠山土坡」は坡面の先に、山形の突き出しがある、平原の先の山々を連想させる石です。

探石では普通の土坡・遠山土坡よりも、立方体を思わせる高土坡に近しい石の方が、目に付くような気がします。
ただし、坡面が水平で広さを持ち、堂々と構えているような高土坡には、いまだに出会ったことがありません。

土坡と段石との違い

明確に階段状になっていれば「段石」と判断することができますが、段がなだらかになっている場合、その差を明確にすることは難しいです。

過去の文献では「土坡には原則として段がない」と記載されているものもありますが、坡面の奥によくある「丘や山(突起)」を段とみるか見ないかは人によって異なるため、段の有無だけでは明確な区別が難しい場合もあります。

また、『水石入門マニュアル(近代出版)』では、土坡と段石の明確な線引きが難しいことが示唆されており、両者の良さが交わることで味わいが生まれるとも記載されています。

さらに、坡面が広くてなだらかな場合、海岸線を思わせる「岩潟石」と感じることもあり、見立ての判断は容易ではありません。

見立ての幅が広い分、銘を工夫することで、よりイメージが伝わりやすくなるかもしれません。

水石の形一覧

その他の水石の形は一覧ページでご確認ください。

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