ネットを検索していると、「抽象石」や「心象石」という言葉を目にすることがあります。
しかし、比較的新しい参考書である『水石入門マニュアル(近代出版)』には、「抽象石」「心象石」に関しては記載されておりません。もともと水石分類にはいろいろな考え方がありますが、「抽象石」「心象石」という考えが愛石家の方に浸透しなかった可能性があります。
このページでは「抽象石」「心象石」に関して調べた内容を記載するとともに、「すいすい水石」での「抽象石」「心象石」に対する考えを述べていきたいと思います。
抽象石とは何か
古い文献の中には、「形による分類」の一つとして「抽象石」が記載されているものがあります。
(『石の事典 水石盆石』に記載あり)
形による分類といっても、実在のものや具体的な形を見立てるのではないとのことです。
抽象石は「形そのもの」を楽しむ、つまりは石が持つ独特の雰囲気や味わい、妙趣(みょうしゅ)などを鑑賞するものといった記載となっています。
これは「オブジェ」に通ずるとも書いてありました。

さらに文献では、姿石との比較をもってわかりやすく説明してくれています。
- 姿石:何か実在するものに似ている=相似性がある。現実的・具象的。
- 抽象石:何かに似ているわけではなく、形自体に美の要素がある=相似性はない。観念的。
そのため、この分類があれば比較的自由な水石の見立てが可能であり、自分の心情を投影しながら鑑賞することができると思っています。つまりは「この石の何とも言えない雰囲気が好き」といった感覚で楽しめるということです。
ただし、あまりにも自由度が高いため、「何でもあり」になってしまう可能性がある点については、賛否が分かれると思います。今日「抽象石」があまり浸透していない理由はこの懸念点があるからだと思います。
とはいえ、それこそが「抽象石」の魅力でもあり、自由に水石の世界を楽しむための懐の深い分類と言えるのではないでしょうか。
心象石について
「心象石」について文献を調べましたが、具体的な定義や説明は見つかりませんでした。ネット上でも情報はあまり出回っていません。
一方で、多くの石の販売サイトでは「心象石」という表現が使われており、一定の認知があることがうかがえます。その起源や正確な定義についての確証は得られませんでしたが、販売の現場においては昔から知られている石の分類・言葉であると思われます。
改めて「心象石」について考えてみます。
「心象」という言葉は「心に浮かぶ姿や形」を意味します。
すいすい水石では、この言葉の本来の意味を踏まえ、「自分の心理状態や心模様を映し出すような石」を「心象石」と捉えることにしました。まるで心の鏡のように、その石を眺めることで心に何かしらの感情やイメージが浮かぶような石です。そして、「心象石」は自由な見立てを楽しめる水石の一分類として考えていこうと思っています。
※今後、新たな情報が確認でき次第、改めて記載いたします。
抽象石・心象石もどんどん飾りたい
すいすい水石では、「抽象石」「心象石」を「柔軟で奥深い水石分類の一つ」と捉え、「色気のある石」や「何とも言えない魅力のある石」、「今日の気分を表す石」などを見つけたら、どんどん飾っていこうと思っています。
