川原の探石における「遠山石(とおやまいし)」の実状
水石の形の一種に、「遠山石(とおやまいし)」と呼ばれるものがあります。
その名の通り、遠くにそびえる山のような景色を連想させる水石です。
川原での探石では、景の良し悪しは別として、「山っぽい石」は比較的よく見つかります。
しかし、実際に目にするのは、峰が一つだけの「独立峰」を思わせる水石がほとんどです。
主峰と副峰が並ぶ「双峰」や、複数の山並みを連想させる「連峰」のような水石には、なかなか出会えません。
素人目にも、双峰や連峰のほうが迫力があり、景も豊かに感じられます。
けれど、川を下ってきた転石において、鋭く尖った「峰」が二つ以上も美しく残っているというのは、そもそもとても稀なことなのかもしれません。
景の良い「独立峰」の水石に巡り合いたい
「遠山石」に多いのが独立峰型であるならば、なおのこと、形の良い独立峰の水石に出会いたい——
そんな思いが湧いてくるのが、人情というものでしょう。
丸っこいもの、尖ったもの、太めのものやスリムなものなど、探石ではさまざまな「山形」の石に出会います。
しかし不勉強のため、「独立峰」と言えば富士山しか思い浮かばず、脳内にイメージできるのも富士山の形だけです。
「独立峰」が多いとはいえ、さすがに富士山に似た石にそうそう巡り合えるわけではありません。
そもそも富士山以外の「独立峰」の山を知らないので、景の良し悪しがわからず、良い「遠山石」を見逃しているのかもしれません。
「遠山石」の参考に、「独立峰」の山を調べてみた
もっと良い水石の見立てができるようにと、「独立峰」について少し調べてみました。
すると、さすがウィキペディア。
ちゃんと「独立峰」のページがあり、実際の山々がリストアップされていました。
このページでは、それらの中から、「遠山石」の参考になりそうな日本の独立峰をいくつかご紹介したいと思います。
羊蹄山(ようていざん)
北海道後志地方所在の標高1,898mの山。山頂部分が広く、きれいな形の山です。
少し抽象的に解釈し、丸みのある山を想起するのであれば、探石で似たような石を見つけられるかもしれません。
*ウィキペディアから引用:Oga, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
大山(だいせん)
青森県所在の標高1,625mの山。なだらかで、幅広の山の印象です。
この広さを表現できるような水石は、なかなかお目にかかれないかと思いました。
*ウィキペディアからの転載:Mti, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
開聞岳
鹿児島県の薩摩半島に所在の標高924mの山です。
すり鉢をひっくり返したような山ですね。とんがった感じですが、丹念に探せば似たような石が見つけられそうです。
*ウィキペディアから引用:alpsdake, Public domain, via Wikimedia Commons
男体山(なんたいさん)
栃木県日光市所在の標高2,486 mの山。
どっしりとした印象です。
奥行きがありそうな山なので、近しい水石を見つけるのは、なかなか難しいかもしれません。
*ウィキペディアから引用:Uraomote yamaneko, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
黒姫山(くろひめやま)
長野県上水内郡信濃町所在の標高2,053mの山です。
山頂付近が広く、なだらかな広がりがある山ですね。こういった石なら、丹念に探せば見つかるかもしれません。
*ウィキペディアから引用:Apple2000, CC0, via Wikimedia Commons
太白山(たいはくさん)
宮城県仙台市太白区茂庭に在所の320mの小さな山です。
このポッコリした丸みのある水石は、そこそこ見つかるかと思います。
*ウィキペディアから引用:User: Wkatsuhiro, Public domain, via Wikimedia Commons
「独立峰」は意外にシンメトリーっぽい山が多かった
水石ではシンメトリーよりも左右非対称の方が好まれるのですが、「独立峰」の山を意識すると、いつのまにかシンメトリーの石を目で追ってしまいそうです。
太白山(たいはくさん)のようなポッコリ山の石はそこそこありそうなので、次回の探石で探してみようと思います。


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