水石の道具

気に入った水石の飾り方はさまざまです。すいすい水石式では、まずは自由なスタイルで楽しむことをおすすめしています。

そして、いつか水盤や台座を使った飾り方にも挑戦し、愛石家の先輩方が感じた「山水風景」や「自然美」の味わいを楽しんでいただけたらと思います。

このページでは、水石の道具や水盤を用いた飾り方を紹介しています。ぜひご覧ください。

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水盤(すいばん)

模様がきれいな水盤

水盤(すいばん)」とは、水石を飾るための器であり、石の美しさを引き立てる重要な道具です。

水石用の水盤は石を安定させるため、浅く広い形状をしています。
職人さんにの手よる水盤の中には芸術性が非常に高いもが多く、水石の魅力をより引き立ててくれます。

水盤の形は丸型、四角型、小判型、短冊形、楕円形などさまざまなデザインがあり、小さいものは10~20cmほど、大きなものではなんと1mを超えるものまで存在します。
材質もいろいろあり、磁器・陶器・銅などで作られることが一般的です。

通常、水盤で石を飾る際には、粒のそろった川砂を敷き、その上に石を置いて飾り付けを行います。時には潅水し、石本来の鮮やかな色見を引き出します。

平らにならした砂の上に水石をピシッと美しく飾ることができたときは、とても気持ちがいいものです。

色や模様によっては石を水盤に直に置き、静謐な感じを演出したり、水盤の底の模様を楽しむ場合もあるようです。

さまざまな水盤

水盤を使用する際に大切なのは、「水石に合った水盤を選ぶこと」です。

職人による装飾の施された素敵な水盤もたくさんありますが、あくまでも水石を引き立てるものでなければなりません。

大きさ、形、色、模様など、水石に調和する水盤を選び、ぜひ「山水風景」を表現してみてください。

近年、水石用の水盤の生産は減少傾向にあると思われ、手頃な価格で入手するのが難しくなっています。
WEBショップでも、水石用の水盤はほとんど見かけません。

華道用の水盤は豊富に出回っているため、代用して使ってみてもいいかもしれません。

その他、Yahooオークションなどでは、良質な中古水盤が出品されることもあるため、覗いてみてください。

台座(だいざ)

美しい水石の台座

台座(だいざ)」とは、水石を飾るために作られる木製の台のことです。

石の形に合わせて一つ一つ丁寧に彫られ、特に底が不安定なものや高さのある石を安定させながら美しく飾るために用いられます。(紋様石・姿石・茅舎などは基本的に台座で飾られることが多いです。)

台座の多くは職人さんの手によって、石と調和するよう丹念に仕上げられます。

台座の材料としては、「紫檀(シタン)」がよく使われます。
紫檀は硬く耐久性があり、深い色合いや美しい光沢を持つため、水石の風格を引き立てる素材として愛石家に好まれています。

ただし、希少で高価なため、花梨(カリン)や桂(カツラ)などが代用されることもあります。

台座も水盤と同じように、水石の魅力を引き立てることが最も大切です

石と調和し、その風情を際立たせる台座を選ぶことで、より水石から連想される景が広く美しくなると思います。

なお、台座を手作りされる愛石家の方もいらっしゃり、ブログ等で公開してくださっています。
参考にさせていただきながら、私も今度チャレンジしてみようと思ってます。

川砂(かわずな)・山砂(やまずな)

水盤に敷かれた砂

水石を水盤に飾る際には、ほとんどの場合「」を敷きます。
道具というと少し違うかもしれませんが、水盤飾りでは欠かせない存在です。

使うのは「川砂」もしくは「山砂」です。

砂といったら海かと思っていましたが、海砂の塩分が水石や水盤を傷めることがあり、さらに細かい貝殻が混じっているため使用しないとのことでした。

川砂はふるいにかけて粒をそろえ、小さな水石には細かい砂大きな水石にはやや粗めの砂を使うことが多いです。

どの川の砂でもよいわけではなく、色合いも重要です。

花崗岩が風化によりできた砂で、茶色や薄茶色がよく使われますが、これは石を引き立てるために派手な色を避けるからでしょう。

かつては「天神砂(天神川砂)」という砂が水石飾りでよく使われていましたが、採取できなくなり、今では幻の砂と言われています。

現在は「鞍馬砂」や「能登砂」が主に使われていますが、良質なものは減ってきているようです。

石屋さんも「いい砂がなかなか手に入らなくなったねぇ」と嘆いていました。

実際に水盤飾りを行う際は、砂を扱うための「刷毛」「コテ」「土すくい」「敷物」、水を打つ際の「霧吹き如雨露じょうろ」も用意して飾つけると便利できれいに飾れます。

地板(じいた)類

地板と添配

地板(じいた)」とは、水石を飾る際に添配や台座の下に敷く木製の板のことです。

SNSなどでは地板の上に直接水石を飾る光景も見かけますが、伝統的な飾り方としては、台座や添配と組み合わせることが一般的のようです。

地板には光沢のある落ち着いた風合いのものが多く、飾り全体の品格を高める役割を果たします。

地板の形状は四角形・丸・楕円・六角形・八角形などさまざまで、水石や添配に合わせて選ばれます。
また、素材には「紫檀(シタン)」をはじめ、磨くと美しい光沢が出る硬い木材がよく使われます。

地板の代わりに布を敷く場合もありますが、いずれにせよ、水石の魅力を引き立てることが大切です
地板においても、他道具と同じように「飾る石に合うかどうか」がポイントとなっています。

卓(たく・しょく)・花台(かだい)

卓・花台

卓(たく・しょく)・花台(かだい)」は、水石や添配を飾る際に使われる台のことです。特に、格調高い飾りを演出するために用いられ、格式のある鑑賞席や展示会では欠かせない道具とされています。

「卓」の読み方が「たく」と「しょく」両方読み方があるみたいですが、すいすい水石サイトでは「たく」と読むことにしました。

「卓(たく)」には四角形・丸形・多角形とさまざまな形や種類がありますが、水石では四角形(長方形)の卓が好まれて使われているようです

横に長い水石が多いからでしょうか。
また、脚が付いたものが多く、繊細な彫刻が施されることもあります。

一方、花台は卓よりもシンプルな造りで、高さを調整したり、飾り全体のバランスを整えたりする役割を持ちます。

複数の石を飾れる花台もあり、各棚に石を置き、鑑賞する楽しみ方もあります。

美しい花台の足
花台の飾り棚

添景(てんけい)・添配(てんぱい)

さまざまな添景(てんけい)が売られている

添景 (てんけい) ・添配 (てんぱい)」とは、水石を飾る際にそえる人・動物・建物などの小道具のことです。

初めて添景を見た時に「コップのフチ子さん」を思い出したのですが、おそらく小さな模型やフィギュアのような感覚に通じるものがあるからでしょう。

添景には建物・生き物・乗り物などさまざまな種類があり、特に昔の文献では段石に添えられた「五重塔」をよく目にします。

これは、添景が「奥行きを与え、景を広く大きく見せる」役割を果たすためです。

例えば、小さな塔を添えることで、石が波打ち際の大きな崖や雄大な山により見える・感じる効果が生まれます。添景を使うことでまた違った視点で石を楽しむことができますね。

また、添景の材質にもさまざまなものがあり、以下のような素材が使用されています。

  • 陶磁器製:五重塔や建物など、精巧な細工が施されたものが多い。
  • 金属製(銅・青銅など):仏像や人物・生き物の添景に用いられ、重厚感がある。
  • 木製:温かみのある風合いで、伝統的な意匠のものが多い。
  • 石製:水石との一体感があり、自然の景色を引き立てる。

添景の使い方はその人の審美眼による部分も大きく、配置の仕方ひとつで印象が大きく変わってくると思います。水石の魅力をさらに引き出すため適切な添景を選ぶことを意識しつつ、時には普通のフィギアを添えてみるのも面白いかと思ってます。

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