真黒石(まぐろいし)

真黒石
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真黒の色の石が「真黒石(まぐろいし)」

真黒(まぐろ)」は、最も評価が高いとされる黒色または黒に近い色を指します。

水石では基本的に黒を中心とした、濃く深みのある、落ち着いた色が好まれます

特に漆黒に近いものほど価値があるとされ、硬質で質の良い真黒色の石は産地を問わず「真黒石(まぐろいし)」と呼ばれ、古くから珍重されてきました。

瀬田川石 真黒石
瀬田川石 第62回 日本水石名品展にて 

ただし、色的に言っていわゆる「真っ黒」ではないです。
「完全な黒」ではないのでご留意ください。

真黒石の石種

文献によると、「ホルンフェルス」や「黒色珪質頁岩」が「真黒石」とされることが多いようです。

ホルンフェルス

ホルンフェルス(Hornfels)は、接触変成作用によって形成される変成岩の一種です。
岩が地下深部でマグマに接触し、高温による熱変成を受けることで生まれます。

緻密で非常に硬く、風化しにくいといった特徴があります。また剥離性が少ないため、滑らかな表面を持つことが多いです。

その他、変成時の鉱物配列により、美しい縞模様を呈することがあります。
色味は黒や灰色を基調としつつ、褐色や赤みを帯びたものもあります。

緻密で非常に硬いといった点が、良質な水石を生み出すとして、色と共に愛石家の方に好まれています。ただし、その硬さゆえに「景が出にくい」と評している愛石家の方もいらっしゃいます。

黒色珪質頁岩

黒色珪質頁岩(Black Siliceous Shale)は、堆積岩の一種である頁岩の中でも、シリカ(珪質)を多く含むタイプの岩石です。

主に深海底などの静かな環境で堆積し、長い年月をかけて形成されます。

光沢があり深みのある黒色で、しっとりとした質感を持つものが多い石です。

一般的な頁岩よりも珪質成分が多いため、緻密で硬度が高く割れにくい特徴があります。
また、頁岩でありながら層理面が目立ちにくく、まとまりのある形状を維持しやすいのも特徴です。

漆黒の色合いと滑らかな質感は、落ち着いた風格を持つ水石を生み出します。
特に表面が均整の取れたものや、微妙な陰影を持つものは、名石として扱われます。

真黒石の主な産地

「真黒石」の産地は全国に複数あります。産地名に「真黒」と入っている場所もあります。

  • 神居古潭石(かむいこたんいし):北海道旭川市
  • 揖斐川石(いびがわいし):岐阜県および三重県
  • 姉川石(あねがわいし):滋賀県
  • 瀬田川石(せたがわいし):滋賀県および京都府など
  • 八瀬真黒石(やせまぐろいし):京都府 加茂川石の一種 八瀬巣立ち真黒も有名
  • 石手川石(石手川石):愛媛県
  • 四万十川石(しまんとがわいし):高知県
  • 玄海真黒石(げんかいまぐろいし):福岡県
  • 天草真黒石(あまくさまぐろいし):熊本県
  • 筑前真黒石(ちくぜんまぐろいし):福岡県
加茂川八瀬真黒石
加茂川八瀬真黒石 第62回 日本水石名品展にて

様々な肌合いの真黒石

その他、肌合の形状によって名称がかわる真黒石があります。

梨地真黒(なしじまぐろ)

無地真黒(なしじまぐろ)」は、果物の梨の皮のように、小さな斑点、細かな凹凸おうとつが均一に広がる肌合梨地肌」を持つ真黒石です。

硬質なホルンフェルス系の石などで、輝石や角閃石などの結晶が抜けた後に小さな孔がポツポツポツと開くことにより、梨地真黒石が誕生します。

瀬田川石の梨地真黒がとくに有名ですが、他の産地でも産出される真黒石です。

なお梨地肌が金色の場合は「金梨地」と呼ぶことがあるようです。

蟹真黒(かにまぐろ)

蟹真黒(かにまぐろ)」は、ホルンフェルスの表面に、まるで蟹のハサミのちぎれた後のような模様・凹凸を持つ真黒石のことです。瀬田川石産の蟹真黒がとくに有名です。

笹真黒(ささまぐろ)

笹真黒(ささまぐろ)」は笹の葉の形のような模様・凹凸の肌合を持つ石です。
米点模様や蟹真黒に似ている肌合で、見分けが難しいと思われます。

「真黒の色」の参考色

漆黒のカラーコード。サイトによってコードが違いました。

真黒の色に関してカラーコードを調べてみましたが、そもそも「真黒」という色は色見本では見つけることができませんでした。

また水石では基準となるカラーコードの指定はないようで、真黒という色を厳密に確認することはできませんでした。

そこで、すいすい水石では、過去の文献にあった「漆黒」という表現に基づきカラーコードを調べてみました。

実はこちらも厳密なコード指定は無いみたいでしたが、いくつかのサイトで見つけた「漆黒」のカラーコードを記載しておきます。

#212121の色は「墨色=灰黒」に近しい印象があります。どちらかというと#00000fや#0d0015の二色の方が「真黒」という名称には近しいと思いました。

実際の探石では「黒い石」は見つかりにくい

実際の探石での話ですが、真っ黒な石に巡り合うことはあまりありません
なぜならば、乾燥した泥の付着や川ズレによって、多くの石は灰色がかって見えるためです。

例えば下の石を見比べてみてください。同じ石ですが、濡らす前は灰色に見えます。
この石を濡らしてみると、黒い色がくっきりと浮かび上がるのがわかります。

濡らす前で灰色に見える水石(多摩川石)
濡らす前で灰色に見える多摩川石
水を打って鮮やかに黒くなった水石(多摩川石)
水を打って鮮やかに黒くなった多摩川石

よさそうな石を見つけたら、ぜひ水に濡らして確かめてみてください。
運よく真黒の石「真黒石」に巡り合えるかもしれません。

時代がつき、古色を帯びた石

「養石」により手塩にかけて石を育てると、持ち込みがよくなり「古色」を帯び、石は黒っぽくなってきます

そういった石もある意味「真黒石」と言えるでしょう。

私も遠山石を養石していますが、それは砂岩系の白っぽい石です。
はやく古色を帯びて、「真黒石」にならないかなーと思っています。

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